要素の並び順から、ランディングページを組み立てている方へ/連絡先を渡すとは、こちらからの接触を受け入れることである

ランディングページの構成を、登録が成立する三つの条件から逆算する

「お客様の声」という見出しがあり、その下に声が無い。「実績」という見出しがあり、その下に数字が無い。ランディングページを構成の一覧に沿って作ると、この状態がよく出来上がります。

枠は正しく並んでいます。並べ方を間違えたわけでもありません。それでも中身が空になるのは、一覧が「何を書くか」を決めておらず、「どこに置くか」だけを決めているからです。

構成は、要素の並び順として語られます。最初の画面、共感、利点、実績、声、申し込み。この順で並べる、という説明です。並び順は決められます。決められるので、並べ終えた時点で構成が完成したように見えます。

並べる前に決まっているべきものが一つあります。そのページの終点にある行為が、相手に何を要求しているかです。登録という行為は、相手に一つの判断を求めています。まだ受け取っていないものについて、受け取る価値があるかを決めろ、という判断です。構成とは、この判断に必要な材料を、判断が下される前に渡す設計に他なりません。

並べ替えでは動かない側を扱います。登録という行為が実際に何を要求しているか。その要求から取り出せる条件が、いくつあってどれなのか。そして「感情の流れ」という並べ方が、その条件のうち何を隠すのか。この三つは、ここで決着します。

長さの答えは、この記事の外にあります。何字にすべきかという問いに、ここでは数字を出しません。何字が要るかは、相手が既に何を知っているかで動くからです。同じ文面が、ある相手には長すぎ、別の相手には足りません。ここで渡せるのは、その基準までです。

欠落の現れ方にも、特徴があります。条件が満たされていないページは、欠けているようには見えません。枠は揃っていて、文章も書かれていて、見た目としては完成しています。数字の側でも、登録が少ないという形でしか出ません。少ない理由が「材料が足りない」なのか「そもそも要らない相手だった」なのかは、その数字からは分かれません。

分かれないので、次の手が並べ替えに向かいます。見出しを変え、順序を入れ替え、色を変える。どれも実際にやることがあるので、作業としては成立します。成立している作業を続けているあいだ、空いている枠は空いたまま残ります。並べ替えは枠の中の順序を変える操作なので、枠そのものが空いていることには触れないからです。以下は、その枠を条件の側から埋め直すための道筋として組んであります。

構成の説明は、要素の一覧と並べる順序でできている

案内されている構成は、要素の一覧と、それを並べる順序の二つでできています。

ランディングページとは、一つの行動へ導くことに特化した、単独のページのことです。他のページへのリンクを置かず、上から下へ読ませて、最後に申し込みや登録へつなげる形が基本とされます。

構成要素として列挙されるのは、おおむね次のものです。最初の画面、悩みへの共感、得られる利点、それを裏づける根拠、提供者の情報、利用者の声、提供内容と価格、よくある質問、そして行動を促す部分。

並べ方の原則として示されるのは、感情の流れです。訪れた人は上からスクロールして読み進めるので、各要素を感情が動く順に並べる。気づき、共感、期待、納得、安心、決断。この順に対応させる、という説明です。

制作の流れも示されます。目的と対象を決め、構成案を作り、原稿を書き、デザインし、公開して測る。この順で進める、という手順です。手段としては、制作ツールの活用が案内されます。テンプレートを使えば構成の参考になり、専門知識が無くても形にできる。外注せずに自分で作りたい場合の選択肢として示されます。

そして、構成の良し悪しが成果を左右するという指摘が繰り返されます。同じ内容でも並べ方によって結果が変わる、という説明です。

実務としては、どれも正しく書かれています。一つの行動に絞ることで判断が単純になるのは事実ですし、要素の列挙も網羅的です。感情の起伏を意識した並べ方が効く場面も、実際にあります。

列挙の全体が、一つの見方を前提にしています。構成が、要素の順列として扱われています。要素の一覧があり、その並べ方を最適化する。配置の問題として整理されているわけです。

順列として扱うこと自体に、誤りはありません。実際に要素は並びますし、順序によって伝わり方は変わります。並べる作業は必要です。順列として閉じた瞬間に、各要素の中身は既に決まっているものとして扱われます。

利点は書けるものとして、根拠は存在するものとして扱われます。たいてい、決まっていません。決まっていないまま並べるので、要素の見出しだけが揃った状態になります。枠が正しく並んでいて中身が空という状態は、この順序から出てきます。

この前提は、制作の手順にも入り込んでいます。案内される手順は「構成案を作り、原稿を書く」の順です。構成案が先に確定すると、原稿の仕事は枠を埋めることになります。埋まらない枠が出たとき、そこで止まるのではなく、埋まる程度の言葉が入ります。手順そのものが、空の枠を許す形をしています。

構成を並べる前に、登録という行為が何を要求しているかを見る

登録の場面で相手が判断しているのは、渡されるものの価値ではなく、接触を受け入れるかどうかです。

登録という行為は、外形的には入力欄に文字を打って送信ボタンを押すことです。動作としては軽い。費用もかかりません。

ところが、この動作は軽くありません。軽くない理由は、渡すものにあります。登録する側が渡しているのは、連絡先です。連絡先を渡すということは、こちらからの接触を受け入れるということです。そして、その接触が何回で、どんな内容で、いつまで続くかを、相手は事前に知りません。

つまり、相手が答えているのは「この情報が欲しいか」ではありません。「この相手から接触を受け続けてよいか」です。

この二つは、要求している材料が違います。前者に答えるには、渡されるものの内容が分かれば足ります。後者に答えるには、渡した後に何が起きるかが分かる必要があります。

構成の議論が要素の並びに集中しているとき、扱われているのはほぼ前者です。利点も根拠も声も、渡されるものの価値を示しています。渡した後については、何も書いていないページが少なくありません。

連絡先を渡すことにそこまでの重さは無い、解除すれば済む、という見方があります。解除できることは、事前には分かりません。解除の方法が書かれているページは多くありませんし、書かれていても、解除できるかどうかは実際に解除するまで確かめられません。

そして、判断は事前に下されます。事後に取り消せることは、事前の判断を軽くしません。取り消せることが事前に分かっている場合にだけ、軽くなります。

渡した後を書くと、書ける内容が制約されます。「週に一回、こういう内容を送ります」と書けば、その頻度と内容に縛られます。縛られたくないという動機が、書かないという選択を生みます。そして書かれていないページは、相手にとって判断できないページになります。

もう一つ、要素の評価も変わります。「渡すものの価値を示す要素」と「渡した後を示す要素」を分けて数えると、後者がゼロのページが少なくありません。要素の数としては十分に揃っているのに、片方の問いにしか答えていません。枠の一覧を見ている限り、この偏りは現れません。一覧には「渡した後」という枠が最初から入っていないからです。

偏りの向きにも理由があります。渡すものの価値は、こちらが自由に書ける側です。渡した後に何が起きるかは、書いた時点で自分を縛る側です。書いて損のない側と、書くと制約が生じる側があれば、書かれるのは前者に寄ります。要素が揃っているのに片側しか埋まらないのは、意欲の問題ではなく、この非対称の帰結です。

登録が成立する三つの条件

判断に必要な材料は、三つに分かれます。

第一の条件は、渡されるものが具体的に分かることです。「役立つ情報」では分かりません。分かるとは、受け取った状態を想像できることです。何ページの何なのか、どんな形式で届くのか、読むのにどれくらいかかるのか。これらが書かれていれば、受け取った後の自分を想像できます。

具体的に書けないとき、多くの場合、まだ作られていません。作られていないものを具体的に書くことはできないので、抽象的な表現が選ばれます。表現の問題に見えて、実体の問題です。

第二の条件は、渡した後に何が起きるかが分かることです。接触の頻度、内容の種類、続く期間。この三つが示されていれば、相手は受け入れるかどうかを判断できます。示されていなければ判断できないので、既に信頼している相手にしか渡せません。

ここで効くのは、正直さの表明ではありません。判断に必要な材料が揃っているかどうかです。「安心してください」と書いても材料は増えませんが、「週に一回、こういう主題で送ります」と書けば材料は増えます。

第三の条件は、取り消せることが事前に分かることです。解除できるという事実と、解除できると事前に分かっていることは違います。後者だけが、事前の判断を軽くします。

三つとも、説得ではありません。判断に必要な材料の供給です。構成の設計とは、この三つを、判断が下される前のどこかに配置する作業に他なりません。

三つが揃えば登録される、とは限りません。材料が揃ったうえで、要らないと判断されることは当然あります。三つが揃っていることが保証するのは、判断が材料に基づいて下されることだけです。材料が無ければ、判断は不安か期待かのどちらかに基づいて下されます。どちらも、こちらの内容とは関係のない要因です。

材料を揃えると、登録の数は必ずしも増えません。減ることもあります。減った分は、材料が無ければ登録していた人です。その人たちは、渡した後の接触を受け入れる判断を下していなかったので、後で離れます。

第三の条件について、解除の案内を目立たせるのは、わざわざ出口を教えるようなものだと読めます。出口が見えていない場所には、入りにくくなります。これは建物でも同じ構造です。入る判断は、出られるかどうかの見通しとセットで下されます。

そして、出口を隠して入れた相手は、出られないと気づいた時点で、こちらへの評価を下げます。出口を明示して入らなかった相手は、評価を下げません。隠すことで得られるのは登録の数だけで、失われるのは、その後に接触できる関係の質のほうです。

相手が秤にかけているのは、便益と、見えない危険である

この判断は、情報を開示するかどうかの判断として、実証の側で扱われています。

情報システム研究者のタマラ・ディネブとポール・ハートは2006年、インターネット上で個人情報を提供する判断が、期待される便益と、認知された危険を秤にかける形で下されていることを実証しました(Dinev & Hart, 2006, Information Systems Research, 17(1), 61–80)。

開示する意思を決めているのは、便益の大きさだけではありません。危険をどれだけ大きく見積もっているかが、同じ重さで効いています。そして、危険の見積もりを下げる要因として、相手の統制がどれだけ効くと感じられるかが挙げられています。

この研究が答えている問いは、こちらの問いより狭いところにあります。扱っているのは商取引の場面での個人情報の提供であって、ランディングページの構成ではありません。当たっているのは、判断の形のほうです。

この形を登録の場面へ置き直すと、こうなります。利点をどれだけ積み上げても、それは秤の片側にしか乗りません。もう片側——渡した後に何が起きるか分からないという不確かさ——は、そのまま残ります。

そして、その側は、こちらから見えていません。渡した後に何が来るかを知っているのは、こちら側だけです。相手は知りません。知らない相手が取れる態度は二つで、平均を想定するか、渡さないかです。

平均を想定するとどうなるか。「登録すると、おそらく売り込みが繰り返し来るのだろう」という想定が既定値になります。この想定は当たる場合が少なくないので、相手の側から見て合理的です。

ここが厄介なところです。売り込みを繰り返さない事業者も、この既定値のなかで判断されます。既定値を覆す材料を出さない限り、区別されません。誠実な設計をしている事業者ほど、誇張された約束を出さないので、事前の見え方では不利になります。

この不利は、誠実さを捨てることでは解けません。捨てれば、既定値を強化する側に回るだけです。解けるのは、事前に検証できる材料を出すことによってだけです。

事前に検証できる材料とは何か。頻度と内容の明示は、その一つです。書いてある以上、受け取った後に照合できます。照合できるということは、嘘であれば露見するということで、露見するからこそ事前の材料として機能します。

明示しても守られる保証は無い、相手には確かめようがない、という指摘があります。確かめようはあります。一度受け取れば分かるからです。検証できない主張は誰でも書けるので、書いてあること自体が情報になりません。検証できる主張は、外れた場合に費用が発生するので、書いてあること自体が情報になります。

「感情の流れ」という並べ方が隠してしまうもの

「感情の流れ」という指針は目的語を持たず、空欄のまま実装すると既定値が入ります。

感情が動く順に並べるという指針は、有効に働く場面があります。何の話かが分からないまま価格を見せられても判断できないので、順序が要るのは事実です。

ただし、この指針は誰の感情をどちら向きに動かすのかを言っていません。ここが空欄のまま「流れ」とだけ言われています。

空欄のまま実装すると、既定値が入ります。既定値は「不安を作ってから解消する」です。このままでは立ち行かないと感じさせ、その後で解決策を示す。感情が大きく動くので、この順序は効きます。

効くことと、採るべきことは別です。不安を作る操作は、相手の判断の材料を増やしていません。判断の下し方のほうを変えています。

材料を増やす操作と、判断の下し方を変える操作は、外から見ると区別がつきません。どちらも「感情が動いた」という同じ観測を生みます。そして、どちらも登録という同じ結果を生みます。

区別できるのは、その後です。材料に基づいて判断した人は、受け取ったものが材料どおりであれば留まります。不安に基づいて判断した人は、不安が薄れた時点で離れます。離れる時点がずれているので、登録の直後の数字では区別がつきません。

だから、構成の判定を登録数だけで行うと、不安を作る設計が勝ちやすくなります。勝った設計は、後で離れる人を多く含むことがありますが、その離脱は別の指標として記録されます。

採るべき順序は、感情ではなく判断です。何の話かが分かる。自分に関係があると分かる。渡されるものが分かる。渡した後が分かる。取り消せると分かる。この順に材料が揃っていく並びが、構成です。

感情を無視した構成が良い、という話ではありません。読み手は感情を持って読んでいますし、無味乾燥な列挙は読まれません。扱いの違いはこうです。感情は、既に相手のなかに在るものを見えるようにする側で働きます。新しく作り出す側は、材料の提示ではなく判断への介入になります。

この設計は、短期の数字で劣ります。不安を作らない構成は、作る構成より登録数が少なくなりやすいものです。差が縮まるのは、離脱まで含めて見たときだけです。見る期間を短く取ると、この設計は負けて見えやすくなります。

この見え方は、比較の実験でも同じ形で出ます。二つの構成を並べて登録数を比べる方法は、比べている期間の内側でしか差を測りません。離脱は期間の外に出るので、測定の対象にならないまま処理されます。勝った側が何を含んでいるかは、比較の結果には書かれていません。

長さは、埋めるべき情報の不足量である

長さは目標ではなく、三つの条件を満たすために必要な情報量の結果です。

「長いほうがよい」「短いほうがよい」という議論には、答えがありません。長さを決めているのは、三つの条件を満たすために必要な情報の量だからです。相手が既に知っていることは書かなくてよく、知らないことは書かなければなりません。同じ内容でも相手によって必要な長さが変わります。

具体的に言えば、既にこちらの文章を読んだことがある相手には、渡した後に何が起きるかを長く説明する必要がありません。既に体験しているからです。初めて訪れた相手には、その説明が丸ごと要ります。

この帰結は、長さの調整方法を変えます。「長すぎるから削る」のではなく、「この相手には要らない情報だから削る」と考えます。削る基準が、量ではなく相手の既知の範囲になります。伸ばすときも同じです。「短すぎるから足す」のではなく、「この条件がまだ満たされていないから足す」と考えます。

長いページは最後まで読まれません。読まれなければ書いてあっても意味が無い、とも言えます。全員が最後まで読む必要はありません。途中で判断が下せる人は、そこで下します。下せない人のために、その先が要ります。必要としていない人が途中で行動を起こすのは、設計の失敗ではありません。

長さを情報量の結果として扱うと、削る作業に基準が要ります。基準が無いと、削るべきでない情報を「長いから」という理由で削ってしまいます。基準は、三つの条件です。その段落が三つのどれにも寄与していないなら、削れます。寄与しているなら、長さを理由に削ることはできません。

この基準で削り切ると、ページはかなり短くなることがあります。三つの条件に寄与しない要素——読み物としての導入、業界全体の解説、提供者の来歴——は、実際には相当の面積を占めています。

短くなったこと自体は、問題ではありません。問題は、短くなったページが「手を抜いている」ように見えることのほうです。長さが労力の指標として読まれる場面は、実際にあります。

このとき採れるのは、削った内容を別のページへ移すという選択です。同じページに置かなければならない理由は無いからです。判断に要る材料を一枚に集め、背景の説明は別に置く。分けたほうが、どちらも読まれます。

分けるときの線は、判断に使うかどうかで引きます。登録するかどうかを決めるのに要る記述は一枚に残し、決めた後に読んで意味がある記述は外へ出す。提供者の来歴は、多くの場合で後者です。決める前の相手にとっては、来歴が長いことと、渡した後に何が起きるかは、別の問いだからです。

登録の後を書くことが、登録の前の設計になる

第二の条件が満たせないとき、原因はページの外にあります。

登録の後に何を届けるかが、まだ決まっていません。決まっていなければ書けません。書けないので「有益な情報をお届けします」と書くことになります。これは表現の選択ではなく、決まっていないことの現れです。

逆に言えば、後段が決まっていれば、この条件は自動的に満たされます。何通目に何を送るかが決まっていれば、それをそのまま書けばよいからです。

ここに順序の逆転があります。ランディングページを作る作業は、通常は集客の入口を作る作業として理解されています。ところが、そのページの中心的な条件を満たすためには、入口の先が先に決まっている必要があります。

つまり、後段の設計が、入口の設計の前提になっています。何を送るかが決まる前にページを作ると、抽象的な表現に落ちやすくなります。

この順序は、作業の順番も変えます。先に何通かの内容を決め、それから登録を促すページを書く。逆の順で進めると、ページを書き直す作業が後から発生しやすくなります。

後段のすべてが決まっている必要はありません。最初の数通が決まっていれば、条件は満たせます。「まず何が届き、その後どういう主題が続くか」が書ければ十分です。全体像が確定していなくても、確定している範囲を正確に書けば、判断の材料になります。

書いた内容は、後で変えにくくなります。週に一回と書けば、その頻度が約束になります。変えられないことは、制約であると同時に設計の一部です。制約を先に置くことで、後段の設計が決まるという面があります。約束を書かずに始めると、後段の頻度も内容も定まらないまま続き、その不定さが相手の側にも伝わります。

後段が決まるまで公開できないなら着手がいつまでも先送りになる、という懸念があります。決める範囲を狭めれば着手できます。一通目だけを決めて、そこまでを書く。「まずこれが届きます。その先は、こういう主題を扱っていきます」で足ります。

先送りが起きるのは、全体を決めようとしたときです。全体は、送りながらでないと決まりません。決まらないものを決めようとして止まるのと、決まる範囲だけ決めて出すのとでは、進み方が違います。

具体的にどう組み立てるかは、ステップメールの書き方で扱っています。渡すもの自体の設計は無料プレゼントの設計が上流に当たります。

読む順序は、こちらから指定できない

画面の上で読まれる文章は、上から順にたどられていません。

図書館情報学者の劉子明は2005年、十年間にわたる電子的な読みの変化を調査し、画面上の読みが拾い読みと走査に傾いていることを報告しました(Liu, 2005, Journal of Documentation, 61(6), 700–712)。特定の語を探し、一度だけ通し、非線形に読む。その一方で、持続的な集中を要する深い読みは減っていた、という観測です。

調査の対象は、こちらの対象と一致しません。扱っているのは電子的な読み一般であって、登録を促すページの構成ではありません。当たっているのは、読み手が順序を自分で決めているという点です。

ランディングページは、上から下へ一本道で読まれる前提で設計されます。この前提は完全には成り立ちません。価格を先に見る人もいれば、提供者の情報を先に見る人もいます。どこから読むかは、その人が何を知りたいかで決まっており、こちらの並びとは独立しています。

この観測から、二つのことが出ます。

第一に、各区画は、それ単独で読まれても意味が通る必要があります。前の区画を読んでいることを前提にした書き方をすると、飛ばした人には通じません。

第二に、三つの条件のどれかが特定の区画にしか書かれていない場合、その区画を飛ばした人には条件が満たされません。重要な条件は、複数の箇所に形を変えて置くことになります。

これは繰り返しとは違います。同じ文を二度置くのではなく、「渡した後に何が起きるか」を、概要の箇所と、申し込みの直前の箇所で、それぞれの粒度で書くということです。

同じことを何度も書くとくどくなるのではないか、という反論もあります。同じ粒度で繰り返すとくどくなります。粒度を変えれば、二度目は確認として働きます。上のほうでは「週に一回、こういう主題で届きます」と概要を書き、申し込みの直前では「登録すると、まずこれが届きます」と直後の一手だけを書く。二つが答えている問いは、別のものです。前者は「受け入れてよいか」に答え、後者は「いま何が起きるか」に答えています。

条件を複数箇所に置くと、ページは長くなります。長さは埋めるべき情報の不足量で決まりますが、この場合は同じ情報を複数の粒度で置いているので、量としては増えます。判定は、それぞれの記述が別の問いに答えているかどうかです。同じ問いに二度答えているなら、片方は削れます。

一本道の前提を外すと、区画ごとの見出しが重くなります。飛ばし読みする人にとって、見出しは目次であり、そこだけで内容を推定する材料になります。「特長」「料金」といった枠の名前を見出しにすると、推定の材料になりません。枠の名前ではなく、その区画が答えている問いを見出しにする。そうすると、見出しだけを追った人にも、三つの条件のどこに何が書いてあるかが伝わります。一本道でないと分かった瞬間に、見出しは装飾から機能へ変わります。

三つの条件が、それぞれどこに書いてあるか指せるか

満たされているかどうかは、三つの確認で読めます。

第一の確認は、ページ全体を読んで、三つの条件それぞれについて、答えている箇所を指し示せるかどうかです。渡されるものが具体的に分かる箇所。渡した後に何が起きるかが分かる箇所。取り消せることが分かる箇所。指し示せない条件があれば、そこが空欄です。

この確認は自分ひとりで実行できます。要素の枠が揃っているかではなく、条件が満たされているかを見るのが要点です。枠は揃っていて条件が空欄という状態は、起きます。

第二の確認は、登録した人が最初に受け取ったものについて、事前の記述と照合することです。書いてあったとおりのものが届いたか。ずれていれば、直すのは記述のほうか、届けるもののほうかのどちらかです。どちらを直すかは、どちらが実態に近いかで決まります。

第三の確認は、登録から一定期間後に残っている割合を見ることです。登録の直後ではなく、後で見ます。材料に基づいて判断した人が多ければ、この割合は高くなります。不安に基づいて判断した人が多ければ、低くなります。登録数だけでは区別がつかないものが、ここで分かれます。

三つとも、要素の並び順を見ていません。構成が満たすべきなのは条件であって、順列ではないからです。

三つのうち二つは、既に運用が始まっている場合にしか使えません。これから作る段階では、第一しか使えません。第一だけでも、多くは判定できます。三つの条件のうち一つでも指し示せない箇所があるページは、その時点で材料が不足しているからです。

第三の確認について、期間をどれだけ取ればよいのか、という問いが立ちます。期間の目安は、こちらの接触の周期で決まります。週に一回送っているなら、数回分が経過した時点です。一度も接触していない期間で測っても、判断の質は現れません。

長さの問いには、数を置きません。区画の数も、登録欄の位置も、同じ理由で外れます。答えが数として成立するには、相手が既に何を知っているかが一定でなければなりません。その量は相手ごとに違い、同じ相手でも二度目の訪問では変わります。固定した数は、条件が動いた後も動きません。動かないものが動くものの基準として残ると、判断の側が数へ合わせて曲がります。

並べ替えでは、この状態は動きません。枠が空だったのではなく、枠に対応する問いが立っていませんでした。登録が「接触を受け入れてよいか」の判断であること。その判断を支える条件が三つに分かれること。長さは、その条件の不足量であること。問いを三つ持って読み直すと、空いている枠は空欄ではなく、未回答として見えてきます。

だから、いま書けずにいる箇所について、問うことは一つに絞れます。書けないのは言葉が出てこないからか、それとも渡した後がまだ決まっていないからか。前者なら書き直せば済み、後者ならページの外の作業が先に来ます。

最初の画面で何を伝えるべきかはファーストビューの設計で、期限を作る手法とその代償はプロダクトローンチで扱っています。ページの外の作業が先に来ると分かったとき、次に決まるのは着手の順序です。どこから手を付けるかという順序の側は仕組み化の設計が持っています。

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